多数の経験をもとに適切なアドバイスを致します。
十分な休養をまずは行って下さい。次第に自覚症状の回復が進んだら、復職に向けたリハビリが必要です。自由に休養していた状態からいきなり仕事に復帰するのは無理がありますし、外来の診察だけでは社会機能の評価も困難です。極端な例を挙げれば脚を骨折してギブスを外した後、いきなり走り出すことをイメージしてもらえればわかりやすいと思います。これでは転倒してしまいます。
日常生活の中でできる個人に合わせたリハビリプログラムを提案します。復職の最終段階では認知行動療法的アプローチを必要に応じて行います。ほとんどの方は今まで当院の治療プログラムで必要十分でしたが、例えば休職が複数回に及ぶ方や休職が長期に亘った場合は、事業所が通所リワークを勧められるケースや患者さんや当院が通所リワークを希望する事例もあります。その場合、必要な方は外部のリワークプログラムを紹介しております。
休職期間は人によって差があり、回復の程度や期間も様々です。自己回復力を信じて療養に専念して下さい。また、社会保険加入中の方は傷病手当金(概ね標準報酬月額の三分の二)が給付の可能性があります。この制度も必要に応じて説明いたします。本人だけでなく、ご家族や周囲の復職への過度の焦りも思った以上に本人にプレッシャーをかける場合が多く十分な配慮が必要です。
焦りは回復を大きく妨げます。